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強い相手と対戦すると
2連勝する確率は高くなる?

確率統計検定
僕はツヨシくんとヨワシくんと腕相撲を3回おこなって2連勝できたらご褒美をもらえることになった。

僕がツヨシくんに勝てる確率は20%

僕がヨワシくんに勝てる確率は90%

対戦する相手の順序は次の2つから選ぶことができる。
1戦目2戦目3戦目
順序A
ツヨシヨワシツヨシ
順序B
ヨワシツヨシヨワシ
僕はヨワシくんと多く戦える順序Bのほうがご褒美をもらえる確率が高いと考えた。

本当に順序Bのほうがご褒美がもらえる確率(2連勝する確率)が高くなるだろうか?

実際に試してみよう!

腕相撲
1戦目2戦目3戦目ご褒美
順序A
ツヨシ
ヨワシ
ツヨシ
 
順序B
ヨワシ
ツヨシ
ヨワシ
 
実行
回数
ご褒美
獲得回数
ご褒美
獲得率
順序A
000%
順序B
000%

使いかた

実行ボタンを押すと腕相撲の結果が出ます。繰り返し実行することでご褒美をもらった回数をカウントできます。

実行回数が多いほど褒美獲得率が理論値に近づいていきます。1万回以上実行すると理論値に近い値となります。

二人との勝率やワンクリックでの実行回数は設定変更することができます。

解説

この問題は統計検定2級2018年6月の試験問題を参考に作成しています。

ヨワシくんと多く対戦する順序Bのほうが2連勝しやすいように思われますが、実際には順序Aのほうが2連勝できる確率は高くなります。

順序Aの場合

ヨワシくんには100%勝てるとするとよりわかりやすくなります。

順序Aの場合、2戦目はヨワシくんが相手なので確実に勝てます。そのため1戦目か3戦目でツヨシくんに勝てれば2連勝することができます。ツヨシくんに1回負けても、まだ2連勝できる可能性は残っています。

つまりツヨシくんに挑めるチャンスは2回あります。

順序Bの場合

一方、順序Bの場合、1戦目と3戦目はヨワシくんなので確実に勝てます。しかし、2連勝するには2戦目でツヨシくんに勝たなければなりません。2戦目で負けてしまったらそこでゲーム終了です。

つまりツヨシくんに挑めるチャンスは1回だけです。

よって、ツヨシくんとより多く戦うチャンスのある順序Aのほうが2連勝できる確率は高くなります。

数式での解説

僕がツヨシくんに勝てる確率をtt、僕がヨワシくんに勝てる確率をyyとし、0t<y10 \leqq t < y \leqq1とします。

順序Aの場合

1戦目と2戦目で2連勝する確率
t × yt~\times~y

1戦目で負けてと2戦目と3戦目で2連勝する確率
(1t) × y × t(1-t)~\times~y~\times~t

順序Aで2連勝する確率
ty + (1t)ty = (2t)tyty~+~(1-t)ty~=~(2-t)ty

今回の問題を当てはめると
(20.2) × 0.2 × 0.9 = 0.324(2-0.2)~\times~0.2~\times~0.9~=~0.324

順序Aで2連勝する確率は32.4%

順序Bの場合

1戦目と2戦目で2連勝する確率
y × ty~\times~t

1戦目で負けてと2戦目と3戦目で2連勝する確率
(1y) × t × y(1-y)~\times~t~\times~y

順序Aで2連勝する確率
ty + (1y)ty = (2y)tyty~+~(1-y)ty~=~(2-y)ty

今回の問題を当てはめると
(20.9) × 0.2 × 0.9 = 0.198(2-0.9)~\times~0.2~\times~0.9~=~0.198

順序Bで2連勝する確率は19.8%

それぞれの確率の比較

順序Aの2連勝する確率から順序Bでの確率を引いてみて、答えがプラスなら順序Aでの確率のほうが高く、マイナスなら順序Bでの確率のほうが高いということになります。
(2t)ty  (2y)ty = (yt)ty(2-t)ty ~-~ (2-y)ty ~=~ (y-t)ty

t<yt < yより、yyの値はttの値よりも高いので (yt)(y-t)は必ずプラスとなり(yt)ty(y-t)tyもプラスとなります。

つまり二人との勝てる確率がいくらであろうとも順序Aで2連勝する確率のほうが高くなります。

ツヨシくんに勝てる確率が0%の場合は順序A、順序Bともに2連勝できる確率は0%となるため、両方の差はなくなります。

条件を変更するとどうなる?

ご褒美をもらえる条件を2連勝ではなく2回勝利としてみたり、戦う順序をツヨシくんと2連続のあとヨワシくんとしてみるだけでも結果はまったく異なるものとなります。

設定は自由に変更できるのでさまざまな条件で試してみるのもおもしろいです。